統合失調症の後見人制度についての詳しい解説 統合失調症は、思考や感情、意思決定のコントロールが一時的に難しくなる病気であり、症状の程度や時期によって、生活上の判断を適切に行うことが困難になる場合があります。とくに、金銭管理・契約行為・福祉サービスの利用手続きなど、社会生活に必要な判断を冷静に行...
統合失調症の後見人制度についての詳しい解説
統合失調症は、思考や感情、意思決定のコントロールが一時的に難しくなる病気であり、症状の程度や時期によって、生活上の判断を適切に行うことが困難になる場合があります。とくに、金銭管理・契約行為・福祉サービスの利用手続きなど、社会生活に必要な判断を冷静に行うことが難しいとき、本人の生活と権利を守る仕組みとして成年後見制度が存在します。
1. 成年後見制度とは
成年後見制度は、判断能力が不十分な人を法的に保護し、生活・財産を守るための制度です。家庭裁判所が後見人を選任し、その後見人が本人の代わりに必要な法律行為を行います。
統合失調症の方が利用する場合は、症状の安定度や判断能力の程度に応じて、以下の3段階が適用されることがあります。
● 後見(判断能力がほとんどない場合)
- 後見人がほぼすべての財産管理や契約行為を代わりに行う。
- 症状が重く、本人だけでは日常生活の重要な判断ができない場合に利用。
● 保佐(判断能力が著しく不十分な場合)
- 本人の判断能力はある程度残っているが、不動産売買など重要な契約には「同意」が必要。
- 統合失調症の症状に波があり、時に誤った判断をしてしまうリスクがあるときに用いられる。
● 補助(判断能力がやや不十分な場合)
- 比較的軽度で、少しだけ判断のサポートが必要な場合。
- 例えば、医療同意や一部の契約行為を手伝う程度。
2. 後見人が行うこと
後見人が関わるのは、あくまで“本人の利益を守るため”であり、人生を支配するためではありません。主な役割は次の通りです。
● (1) 財産管理
- 銀行口座の管理
- 家賃の支払い
- 年金の管理
- 医療費や生活費の支払い
本人が悪徳商法に巻き込まれたり、高額な契約をしてしまう危険性を防ぎます。
● (2) 身上監護(生活全般の見守り)
- 病院への手続き、通院スケジュール管理
- 障害福祉サービスの利用手続き
- 施設入所や引越しの契約
- 必要時の行政との調整
後見人は医療行為そのものを決める「代行医療同意」は原則できませんが、通院支援や手続きなどの“調整役”を行います。
● (3) 本人の意思の尊重
成年後見制度では、最重要の原則が本人の意思の尊重です。
- 本人が望んでいない方向に無理に連れて行くことはできません。
- あくまで「本人の幸せ・生活の安定」のために動くことが求められます。
3. 誰が後見人になるのか
後見人となる人にはいくつか種類があります。
● (1) 家族後見人
- 親、兄弟姉妹、配偶者など。
- 本人が安心しやすいが、トラブルや負担になるケースもある。
● (2) 専門職後見人
- 弁護士、司法書士、社会福祉士など。
- 家族が高齢、遠方、または支援が難しい場合に適している。
● (3) 法人後見
- 社会福祉協議会などの法人が後見を担当。
- 安定した運営が期待でき、複数職員で支えるため負担が分散される。
4. 統合失調症の方が後見人制度を使うメリット
● ◎ 悪徳商法や金銭トラブルから守られる
症状が不安定な時期、詐欺に遭うリスクを大幅に減らします。
● ◎ 安心して治療に専念できる
生活やお金の心配が減り、治療に集中できます。
● ◎ 行政や医療機関とのやり取りがスムーズ
手続きが苦手でも、後見人がサポート。
● ◎ 家族の負担が軽減される
金銭管理や生活調整を後見人が担当してくれる。
5. 注意点・デメリット
後見制度は万能ではなく、いくつかの注意点もあります。
● △ 費用がかかる
- 家庭裁判所への申立費用
- 専門職後見人の場合、月1〜3万円程度の報酬
● △ 一度始まると簡単には終了できない
制度は“継続”が基本で、症状が良くなったとしても勘案が必要。
● △ 後見人との相性
後見人も人間なので、相性が悪いとストレスになる場合がある。
● △ 本人の「自由」を制限する場面もある
例えば、高額な買い物や契約を止められることがある。
6. 統合失調症の場合、利用するべきか?
結論としては 症状が安定していない時期や、金銭管理が難しい場合は有効 です。
ただし、
- 症状が軽快している
- 金銭管理もしっかりできる
- 家族が見守りできる
といった場合には、必ずしも必要ではありません。
本人の状態に合わせて、医師・ケースワーカー・家族・本人で相談しながら判断することが大切です。
まとめ
統合失調症の方にとって後見人制度は、生活の安心・安全を守るための有力な支援手段です。
しかし、本人の権利を守るための制度でもあるので、使うべきかどうかは慎重な検討が必要みなります。
所見 後見人制度の問題点は、本人の自由まで奪いかねないところだ。そういう場合、家裁が承認を与えないだろうが、、、